25年以上前、取材で生まれて初めてモーレア島に行きました。「タヒチの美しさは奇跡だ」と色んな人から聞いていて、当時から憧れていたので嬉しかったのを覚えています。
その何年後に、雑誌の取材でボラボラ島、ランギロア島、そして故マーロン・ブランドの島であるティティアロア島へ行きました。目の前に広がる碧く透明なラグーンと緑の山が織り成すその景観と色彩に圧倒され、無心になって写真を撮り続けました。持って行った100本のフィルムがあっという間になくなり、最後は1枚1枚を大事に丁寧に撮っていたのを覚えています。僕にとって、この2回目の感覚を揺さぶるような体験が、本当の意味での「タヒチとの初めての出会い」だったと思います。
僕にとって、スコールの後は最高のシャッターチャンスなんです。
恵みの雨を受けた緑が鮮やかさを増して生き生きと輝く瞬間だからです。
これもタヒチの自然の豊かさがもたらす奇跡ですね。
木々にはいつでも南国のフルーツが実をつけ、海には魚がいっぱいいる。だからタヒチの人々は蓄えが要りません。取った魚はその日に食べるのがタヒチの人の常識。そういえば昔、釣った魚の写真が撮りたいからとタヒチの人にお願いしたら、「わかった」といって早速魚を取りに行きました。
夕方彼を訪れて「魚は?」と聞いたら、「もう食べちゃったよ」と言われましたよ(笑)。
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また、世界中のダイバーが憧れるランギロアの海に潜った時は、目の前に突然バラクーダの群れが現れてびっくり。写真では小さな魚の群れのように見えますが、実は1m以上もある大きな魚なんです。海の透明度が高いので、気がつかなかったのですがその時はなんと50Mも深く潜っていました。慌ててシャッターを切り水面に戻りましたよ。それほどランギロアの海は透明で、それだけに海の中には神秘の世界が広がっているのですね。
僕にとってのタヒチのイメージは「青い海と白い砂浜のビーチリゾート」ではなく、ゴーギャンが描いた世界…文明から離れた人々が心豊かに暮らす南国の島のイメージです。だからタヒチのイメージカラーは青だけではなく、暖かな夕日が包み込むような、オレンジより透明感のあるアンバー(琥珀)色。こんな色がある世界は、タヒチにしかありません。その暖かな色が、タヒチアンの笑顔をより穏やかで優しいものにしています。素朴で野生的というニュアンスを持つ「ソバージュ」という言葉がぴったりな場所です。
そして、世界中の他のどこにもないスピリチャルな空気も感じます。
それは神々しい自然のパワーと人々の幸せのパワーによるもの。
タヒチの人々は僕がいつ訪れても幸せそうにニコニコしながら心から迎えてくれます。そんな彼らを見ていると僕自身もなぜだか幸せな気持ちでいっぱいになれる・・・そんな力をタヒチは持っていると思います。
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