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直行便のエア・タヒチ・ヌイに乗り込むときに手渡される白い小さなつぼみ―ティアレ・タヒチ。そういえばわたしたちをタヒチに運んでくれるエア・タヒチ・ヌイの機体の尾翼にもこの花が描かれている。

画家ポール・ゴーギャンがタヒチ滞在記『NOA NOA』のなかで、「一度この香りを嗅いだものは、必ずタヒチにもどってくる」と書いたように、ティアレ・タヒチはタヒチの国花であるとともにタヒチの自然、文化、美意識などなど、タヒチのエレメントをその小さな白い花秘めているのだ。

ついにタヒチ島ファアア空港に到着。時間は午前3時。飛行機を降りると、夜明けまではまだ間のある南国の闇のなかに花の香りが満ちている。成田でもらったティアレはもうすっかりしおれてしまったけれど、空港の入り口では、つやのある肌と髪が美しいタヒチ美人からまた新鮮なティアレが手渡される。

タヒチ島での定宿であるインターコンチネル・リゾート・タヒチへ。
今回はタヒチの植物をテーマとした取材旅行。しばし休憩後、9時の集合ということで、スタッフは各自部屋へ。



時間は午前5時。バルコニーの外がほの明るくなってきた。このぼーっとした幸福感につつまれたまま、とりあえずちょっと仮眠をとることにしよう。

2時間ほどで目が覚めると、ぱきっと晴れた空とインターコンチ名物のプールの青が目にしみる。

またタヒチに来ることができた!と体じゅうに喜びがこみあげてくる。気がつくとけっこう空腹。ちょっとお行儀わるいけれど身支度をしながら、さっき冷蔵庫にいれておいたウエルカム・フルーツをつまんで朝ごはん代わりに。




ティアレ・タヒチはクチナシと同じガーデニア科に属すタヒチの固有種で、ソシエテ諸原産といわれています。背の低い潅木で、面白いことに同じ木に咲く花でもその花弁の数が6〜8弁といろいろあること。中でも8弁の花は四葉のクローバーのように幸福を運んでくるという言い伝えがあるので、タヒチでティアレをみると、つい花弁の数を数えてしまいます。

見つけました!8弁のティアレタヒチです!

そしてティアレ・タヒチはタヒチ人の生活になくてはならない特別な花です。その芳香の特徴は甘く、気品に満ちている。
タヒチでは老若男女を問わず、多くの人がティアレのつぼみを耳の後ろにはさんでいます。マルシェには袋詰めのティアレのつぼみが売られているので、みんな冷蔵庫に常備しているそうです。
花は生ものですから、やがてしおれてしまいます。しかしかなり長い時間、耳の後ろからやさしく芳香が香りつづけることによるアロマテラピー効果はかなりのもの。私たちはアロマテラピーを楽しむためにディフィーザーなどを使いますが、花そのものを使うこの方法ほど美しく効果的な用い方は他にないでしょう。タヒチ人におだやかな人柄が多いのは、このアロマ効果のおかげだと思うのですが。
 またティアレ・タヒチは、タヒチアンが生まれたときから死ぬまで、毎日肌や髪のケアに使うモノイオイルと呼ばれる、これもまたタヒチの生活に欠かせない香りよいトリートメントオイルをつくるのための重要な材料でもあります。


InterContinental Resort Tahiti
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